うつ病について

うつ病は抑うつ症群の中の代表的な疾患です。強い悲しみや気分の落ち込みといった抑うつ気分、意欲や喜びの喪失が長期間続くことが特徴です。日常生活での悲しい出来事やストレスがきっかけで発症するケースが多くみられますが、誘因がはっきりしない場合もあります。
うつ病の症状は人それぞれですが、様々な「精神的な症状」と「身体的な症状」があります。
- 【精神的な症状】
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- 気分が沈む、抑うつ的な気分が続く
- 興味や喜びを感じなくなる、好きなことも楽しめない
- 集中力や決断力が低下する
- 自分を責める、自分は無価値だという思いにさいなまれる
- 死にたいと思う、自殺念慮
- など
- 【身体的な症状】
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- 身体の疲労感
- 食欲不振や過食
- 睡眠障害(不眠、過眠)
- 頭痛、めまい、吐き気、腹痛
- など
お子さまのうつ病は様々な事が影響
お子さまのうつ病の場合、引っ越しや転校、いじめ、家庭環境の変化(両親の離婚や再婚、弟・妹ができたなど)といった様々なことが影響し、それがきっかけで発症する場合もあります。
お子さまのうつ病で見せる症状には、主に身体症状と行動の変化があります。身体症状としては、頭痛、腹痛、食欲不振、吐き気、めまい、睡眠障害などがあります。また行動の変化としては、イライラする、注意力が散漫になる、寡黙になる、不登校や引きこもりになる、といったことがみられます。こうした状態がみられた場合は、うつ病の可能性もありますので、ご相談ください。
うつ病の治療は、支持的な精神療法を中心に、必要に応じて薬物療法を組み合わせる方法がとられます。心と体をしっかりと休ませるため、環境調整(部活や習い事は休ませる、早く学校を下校させてもらうようにする、など)を行うことも大切で、希死念慮が強く重症の場合は入院が勧められることもあります。
お子さまのうつ病では、周囲の理解とサポートが特に重要となります。保護者の方はお子さまの話に耳を傾け、安心できる環境を作ってあげることが大切です。また、専門家の助けを借りることも重要です。